『ミクロの決死圏』『ターミネーター』のこと。撮影中の鶴田法男監督ダイアリーより。「久しぶりに家に電話をしたら家内が近くのレンタル屋で借りてきた『ミクロの決死圏』を娘に見せたという話を楽しげに聞かせてくれました。10才の娘は同作を初鑑賞。相当に興奮して見ていたらしく抗体が襲ってくる場面など「キャァー! 早く逃げて!」などなど大騒ぎだったらしく、もともとは家内が久しぶりに見たくて借りたのですが、映画よりも娘の反応が面白かったようです(^^)。私も子供の頃、親に連れられて見に行って興奮した記憶が鮮明にあるので、電話の向こうの家内の楽しげな声になんだか幸せな気分になり撮影の疲れも癒やされました。もう50年も前の作品なのに映画は時代を経ても様々な喜びを与えてくれるので、映画を仕事にして辛い事が多いですけど決して嫌いになることなんて出来ません。ところで、同作についてのWikipediaをたまたま見たら、美術デザインをサルバドール・ダリが担当しているというのは大間違いである、と記されていてビックリしました。子供の頃に読んだ映画雑誌などにはそう記されていたので、すっかり信じ切っていましたが、ダリが本作公開前年に、原題と同名の「Fantastic Voyage」という作品を発表していたので、日本では勘違いが広まってしまったそうです。それと手塚治虫の『鉄腕アトム』の1話が元になっている、というのは間違いの無い事のようで、これに関しては、悔しさばかりが募ってしまいます。『ターミネーター』は、TV『アウター・リミッツ』の中のハーラン・エリスン作品と酷似している事から、エリスンがキャメロンを訴えて勝訴したので、現在発売されているDVDなどには、エンドにハーラン・エリスンの名がクレジットされています。であるならば、手塚治虫先生も訴えれば勝てたのではないかと思ってしまうのですが…。」