今年の四月朔日、ゾンビ映画撮影中の鶴田法男監督の報告が、一番怖かった!「日本映画初、本物のゾンビを使って撮っているのでこのような部屋を用意しています。毎日命がけの撮影が続いております。ちなみに、今日は4月1日ですね。ーーー鶴田法男」「ゾンビ監禁室」、、、。部屋いっぱいのゾンビを思い浮かべてしまいます、、。ウッカリ開けたら、大変なことに、、とゾクゾクしてしまいました〜。そういえば私も、映画にも出演している複数のゾンビを、ひそかに保管しています。正直、とても正視はできない、ドロンドロンの、ものすごい風貌なんです。普段は、厳重に箱に閉じ込めてガムテープと紐でこんぽうして、さらに事務所のクローゼットに閉じ込め、鍵もかけているのですが、どういうわけか、来客があるたびに勝手に出てきて、訪問客を驚かすのが好きなようで、困っています。たとえば、ある日、まったく初対面の、取材にいらした編集者とカメラマンの方が、笑顔もこわばりがちになり、急にそわそわし始めたりすることがありました。なにか、落ち着かない様子で、わたしの斜め後ろあたりに視線を走らせているのをが、訝(いぶか)しく思われたのですが、ともかくその場は仕事に集中してやり過ごしていました。その方々をを玄関先まで見送って、ほっとして部屋に戻ってくると、本棚の隣にさりげな〜くゾンビがたっていて、あっ!!と叫んでしまいました。たとえば、ある日。某おしゃれなインテリア雑誌の撮影がありました。すでに雑誌に掲載されている、著名人のアトリエページを見ると、正直、うちなんか出してもらって、大丈夫なのかしら〜?!と思うくらい、無理めなかんじでしたので、私は散らかりがちな事務所を徹夜で片付けて、もう本人はぼろぼろになって、撮影に臨んでいましたーー。そのときは、トラブルもなく無事に撮影がすんだのですが、後から掲載前の写真をチェックしていると、にっこりと笑顔でいる私の背後の、観葉植物の隙間から、まるで貞子のようにのぞきこんでいるゾンビが、ちゃっかり映り込んでいて、思わず悲鳴をあげてしまいました。ちょっと見には気づかないくらい、部屋になじんでいて、あやうく、掲載されてしまうところだったのです。どうやら、スタッフの一人がいたずらして、来客時にこっそりゾンビを解放していたようだったのです。ゾンビをかざる趣味はないのですが、いまだにそのときの誤解が解けていない方がいて、、、困っています。(園田恵子)