映画『アクト・オブ・キリング』より「この映画によって、政府は虐殺の事実を認めたーー。」オッペンハイマー監督来日記者会見にて(劇場パンフレットより)たったひとつの映画が、ひとつの「国家」を変える。 そんな夢物語のような話が、ゆっくりと、しかし確実に起きようとしています。『アクト・オブ・キリング』が、まさに世界中で衝撃と賛辞の嵐を巻き起こしたことで、大虐殺から50年近くの時を経て、長く口を閉ざし続けてきたインドネシア政府関係者が、はじめて虐殺の事実を認めました。 3月の来日時に、都内で行われたオッペンハイマー監督記者会見で、監督が、この映画がインドネシアという国にもたらした変化について、語ってくれました。監督によれば映画の公開後、あまりの反響に沈黙を貫けなくなった大統領のスポークスマンが、「私はこの映画に出てくるような人々を嫌悪する」と述べ、虐殺は間違いだったと認めたそうです。 それでも、「まだ大きな政治的変化は訪れていないため、作品に関わった多くのスタッフが身の危険を感じ、本名を明かせない状況は続いている」とのことですが、この映画をきっかけにインドネシア国内のメディアも、長くタブーであった虐殺について触れるようになり、少しずつ、ゆっくりとではありますが、状況は改善の兆しを見せているそうです。 虐殺の被害者家族の方々が、堂々と真実を話すことのできる日が、一刻も早く訪れることを祈りつつ、まさに一国の歴史を動かすほどのパワーを持った作品を、命がけで製作したオッペンハイマー監督や、多くの匿名インドネシア人スタッフのみなさんに、心から尊敬の意を表します。 監督来日記者会見の詳細は、各公開劇場にて販売予定の劇場パンフレットに収録していますので、是非お手にとって頂ければ幸いです。