林 家威(リム・カーワイ)京都シネマの「イメージフォーラムフェスティバル」で、やっとアレクセイ・ゲルマンの「神様はつらい」をみた。こんな圧倒的な唯物映画を見たことがない。ゲルマンが難攻不落なイメージとアクションで構築した、混沌なる虐殺世界が容赦がないが、なぜか詩情とユーモアが漂う。徹底的に第一人称で語った縦横無尽のカメラワークは、新しい映画の言語の蠢動を予感させるにも関わらず、デジタル上映がすべて台無しにしたことに、憤慨せざるをえない。フィルムで上映できないこの時代には、神様は本当につらい。