蜷川幸雄演出の舞台『太陽2068』が、7月7日から東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演される。蜷川幸雄演出の舞台『太陽2068』は、劇団イキウメ主宰の劇作家・前川知大が、『第63回読売文学賞』『第19回読売演劇大賞』を受賞した自身の代表作『太陽』を、蜷川のために書き直したもの。バイオテロで拡散したウイルスにより変異し、若く健康な肉体と高い知能を長く維持する一方で、紫外線に弱いため太陽光を避けて夜に活動する新種の人間「ノクス」と、ノクスに依存して生活することを強いられる普通の人間「キュリオ」の世界に二分された日本を舞台に、ある事件をきっかけに揺らぎ始めるノクスとキュリオの関係性を描く。キュリオとして貧困の中に育ちながら、ノクスに憧れを抱く主人公・奥寺鉄彦を演じるのは舞台初主演の綾野剛。キュリオに理解を示すノクスの森繁富士太を、蜷川演出舞台に7年ぶりに出演する成宮寛貴、鉄彦と同じくキュリオとして生きる生田結を、舞台初出演となる前田敦子が演じる。さらに、ある事件をきっかけにキュリオの集落で孤立する奥寺純子役に中嶋朋子、故郷を捨ててノクスになり、医者として集落に戻ってきた金田洋次役に大石継太、事件を引き起こして失踪する純子の弟・奥寺克哉役に横田栄司、キュリオに理解を示しながらも差別感情を抱いている曽我征治役に山崎一、ノクスを毛嫌いし、純子と共に集落を守ってきた結の父・生田草一役に六平直政、キュリオからノクスになったことで子どもができないと悩んでいる征治の妻・玲子役に伊藤蘭がキャスティングされている。前川知大のコメント「SF的」という言葉で語られることが多い劇団イキウメ作品の中でも、「太陽」は近未来モノ、しかも一度崩壊した世界という、いかにもSF的な作品です。というかSFです。この世界観をミニマムで描いたのが劇団公演だとしたら、「太陽2068」は蜷川さんの演出によってフルスケールの奥行きを持った世界として描かれるはずです。その為にはどう書き直すのか。とりあえずは無茶な願望を詰め込んでみようと思います。蜷川さんが困るような。蜷川幸雄のコメント前川さんのような自分にとって若い世代の劇作家が、新しくどんな戯曲を書いてくださるのか、いまからドキドキ・ワクワクしながら楽しみに待っています。イベント情報Bunkamura25周年記念『太陽2068』2014年7月7日(月)~8月3日(日)全32公演会場:東京都 渋谷 Bunkamura シアターコクーン作:前川知大演出:蜷川幸雄出演:綾野剛成宮寛貴前田敦子中嶋朋子大石継太横田栄司内田健司山崎一六平直政伊藤蘭ほか料金:S席10,000円 A席7,500円 コクーンシート5,500円(画像:『太陽2068』メインビジュアル Photo:Minamoto Tadayuki)