ベルナルド・ベルトルッチと共に現代イタリア映画を牽引してきた巨匠マルコ・ベロッキオ映画史に燦然と輝く名作『ポケットの中の握り拳』で衝撃的な監督デビューを果たした彼は、現在に至るまで常に社会に刺激を与える問題作を創り続けてきた。イタリア国内はもちろん世界中の映画人から注目を集めてきたベロッキオ監督のデビュー50周年を前に、貴重な作品群を集めた特集上映が、遂に実現!日本では知る人ぞ知る傑作であった『ポケット~』が30年ぶりにスクリーンに甦る他、マルチェロ・マストロヤンニを主演に迎え、アストル・ピアソラが音楽を担当しイタリアの名作戯曲を映画化した本邦初公開作『エンリコ四世』など、巨匠ベロッキオによる珠玉の名作5作品を一挙上映!7月5日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて期間限定上映!『ポケットの中の握り拳』監督:マルコ・ベロッキオ出演:ルー・カステル、パオラ・ピタゴラ、マリノ・マッセ1965年 イタリア映画 現代イタリア映画界を牽引する巨匠マルコ・ベロッキオが1965年、26歳の時に発表した記念すべき処女作。盲目の母親と障害を持つ弟、一家の大黒柱である兄とその兄を偏愛する妹という、病んだブルジョア家庭に育った青年アレッサンドロの、家族や宗教といった既成の価値への反乱・否定を描いた。アレッサンドロは母や弟を手にかけていくが、やがて破滅に向かっていく。日本では1983年に劇場初公開。2014年「マルコ・ベロッキオ特集上映」にて上映。『肉体の悪魔』監督:マルコ・ベロッキオ出演:マルーシュカ・デートメルス、フェデリコ・ピッツァリス、アニータ・ラウレンツ1986年 イタリア,フランス映画 18世紀フランスの小説家レイモン・ラディゲの処女作で、これまでも幾度か映像化されている「肉体の悪魔」を、現代イタリア映画界を代表するマルコ・ベロッキオ監督が大胆に翻案して描いた官能ロマン。高校生のアンドレアは、精神分析医である父の患者で、金持ちの娘ジュリアと知り合い、激しい恋に落ちる。2人は何度も逢瀬を重ねるが、そのことに気付いたジュリアの婚約者の母プルチーニ夫人は激昂し、アンドレアの父親に抗議する。アンドレアは父親からジュリアと付き合わないよういさめられるが……。日本では1987年に劇場初公開。2014年「マルコ・ベロッキオ特集上映」にて上映。『エンリコ四世 』監督:マルコ・ベロッキオ出演:マルチェロ・マストロヤンニ、クラウディア・カルディナーレ、レオポルド・トリエステ1984年 イタリア映画 現代イタリア映画界の巨匠マルコ・ベロッキオが、ノーベル文学賞受賞者で劇作家のルイージ・ピランデッロによる戯曲を映画化。主演にマルチェロ・マストロヤンニを迎え、仮装パーティでヘンリー4世に扮したところ、落馬して頭を打ち、自分を本物の王だと思い込んでしまった男の悲喜劇を描いた。臣下の衣装を着た使用人に囲まれ、古城に住む男は自分がヘンリー4世であると思い込んでいるが、そこへ伯爵夫人に扮した元恋人が現れたことから、事態は思いがけない方向へと進んでいく。音楽は世界的バンドネオン奏者のアストル・ピアソラが担当した。1984年カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。2014年、ベロッキオの軌跡を追った特集上映「マルコ・ベロッキオ特集」で日本初公開。配給:エスパース・サロウ