撮影の小林達比古さんが、8月9日に肺がんのため ご逝去されました。1949年生まれですので、まだ64か65才だと思います。周囲への連絡も葬儀も一切するなとのご遺志だそうで、おとといの、小林さんゆかりの市川準さん七回忌法要の場で はじめて、市川夫人から列席者に伝えられ、公表となった、とのことです。その舞台の春秋苑は、私事になりますが、テレビCMを企画演出させていただいた巨大法要施設で、つくづく市川さんや小林さんとの因縁を、いまあらためて感じているところです。小林さん、通称 ショウリン、謹んでご冥福をお祈りいたします。☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 小林達比古キャメラマンは、ぼくが恐る恐る「この映画はスタンダードサイズでいきたいんですが」と口にすると、あの独特のニヒルな表情でギロッと ぼくを睨みつけ、しかし すぐさまニヤッと口の端に笑みを浮かべて、「いいねえ!」と唸ったのだった。前田勝弘さんが横から、それはプロデューサーとして当然のご配慮なのだが、「そうですか。すると、あとあとテレビで画面の上下を切ってビスタサイズで放映するときのことも考えて画づくりしないといけませんな」と仰り、それに対してぼくが「いや、それは・・・」と言いかけたところ、それより早く あなたは、「冗談じゃない。そんな、どちらにでもなるような撮りかたなんてできませんよ!」と声を荒げ、そしてまた ぼくに向き直り、ニヤッと笑った。そのときよりも はるか以前、互いに助手時代からの長い付き合いだったが、それは、なにか、お互い、深いところでの映画についての思いを共有できた瞬間だった。ショウリン、ありがとうございました。