ミニマルなタイトルに想像力は追いつかず、始まるや予想外の展開をして196分の先行きがまったく分からない。ただ安藤サクラ演じる主人公サワの悪魔のような天使のような表情と行動に引き込まれるように見入っていたら、いつしか深い人間ドラマに揺さぶられていた……。安藤桃子監督が脚本も手がけ、サクラとの姉妹初タッグ作ともなった『0.5ミリ』は、老人介護を中心に据える作品なのだが、二人の題材への想いと相性のよさが発揮されて、面白く驚きに満ち強度ある傑作となった。職も住み家も失った介護ヘルパーのサワが、孤独そうな老人を見付けては生活に強引に入り込み、彼らの心を解きほぐしていくという物語。ギブ&テイクの真っ当な関係で他人の愛用品を譲り受けながら、ヒロインが飄々と家から家へと渡り歩くのはおとぎ話の趣だが、おとぎ話は現実の残酷さを潜ませるものでもある。老人のひとりひとり、それぞれの家庭が抱え持つ問題にサワとともにじっくりと向き合い、異世代のバトンリレーの大切さに最後まで息を呑みどおしだった。長尺に物怖じせずに多くの方に観てほしいと心から思う。不思議な存在ながら清涼感あるサワになりきってドラマを牽引した安藤サクラさんにお話を伺った。安藤監督や大ベテランの共演者たちとの現場で得たこと、ご自身の介護の体験を真剣に語り、取材が終わると自らがデザインした作品の宣伝用Tシャツを着て、撮影に応じてくださった。作品への自信と愛情が伝わってきた。(取材:深谷直子)詳細は下記よりチェックイン![intro]http://intro.ne.jp/contents/2014/11/06_2121.html